『山ん中の獅見朋成雄』感想

またもや感想です(ネタバレしまくり)


『我が家のトトロ』の主人公は、
「ふり」をするのが楽しいし、だからあえてそのままでもいいと思い、
『山ん中の獅見朋成雄』の成雄は、
「僕は僕自身を騙そうとしていた」ことに気付きショックを受ける。
(歯を食いしばって耐えるあたりは頭がキューっとなりそうだった)
これまでの舞城作品で成雄のような反応をするキャラクターは居なかったような。
アレコレ悩んで考えたりしてるわりには、切り替えが早いというか。
「それはそれとして、全てを認めて進むしかないでしょー」みたいな潔さ。
(まあ成雄もすぐに新たな自分を見つけるんだけど)
なんだかとても新鮮でした。


しかしみんな狂気の世界へは行かずに、留まることが出来るんだなあ。
ボーダーギリギリでもちゃんと戻るべき場所、進むべき道を知っている。


「〜なんだなあ」と書くと裸の大将を思い出しますね。
野に咲くッ!花のッ!!ようにッ!!!!