不穏なお見合い

成人式には晴れ着のお嬢さん達がウヨウヨ。
いいねえ、華やぐねえ。
まるでオヤジ視点なワタクシは、当時、式には参加ぜず。
仕事に出てた気もするし、家でごろごろしてた気も。
いくら記憶を辿れども、まるで霞がかかったよう。
「写真だけでも撮っておけば良かったかなあ」
「今からでも遅くはないよ。逆に今だからこそ!」
母さん、それはお見合い用にってことですかね。


お見合い。一度くらいならしてみたいかも。
建物の用途はわからないけど、こう、和室でね。
鹿おどしがカコーンてね。「ご趣味は」「密室を少々…」
なんてね!なんてね!いやー照れるね!(趣味?)
「ご趣味は」
「密室を少々…」
「これは興味深い。では殺人のご予定も?」
「いえ、たしなむ程度ですから。
…でも、いつか自分の考えた密室に、愛する人を閉じ込めたい、
そんな夢はあります」
「その夢、お手伝い出来るかもしれません」
「えっ」
「あなたの密室に入れてください。それとも僕じゃご不満ですか?」
「いいえ!いいえ!」


こんなプロポーズは嫌だなあ。